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03-8
塔矢の冷たい唇はそのままオレの下を降りていって、オレの首筋の脈の上で止まる。
「進藤」
塔矢が脈の上でそうしゃべると、塔矢の熱い吐息がオレの首筋を伝っていって、思わ
ず身体がぶるっと震えた。
オレがそうしている間、塔矢の手はオレの薄いTシャツの下を這い回っていた。
「進藤」
「塔……」
塔矢がまたオレの名前と共に熱い吐息を吐く。
オレは震えてしまって、上手く声が出ない。
せめて、せめてこれ以上涙がでないように。
そう祈りながらきつく目を閉じる。
塔矢。オレは。
「進藤」
パサリ、とオレの着ていた服が床の上に落ちる音が聞こえた。
「もし、キミの中のその誰かを消すことができないのなら」
塔矢の冷たい手がオレの身体の上を動くと、オレの身体は自然と大きく跳ね上がる。
「僕の入り込む隙間がないのなら」
圧迫する感覚が、下から襲ってくる。
誰かが自分の中に入り込んでくる。ずっと忘れていた感覚だった。
熱い。すごく熱い。
こんなにも、熱いものだっただろうか。
塔矢、塔矢。
「その?ミの中にいる誰かと一緒で構わないから」
塔矢の気持ちが大きくオレの中で動く。思わずオレは声にならない声をあげてしまう。
「キミの気持ちを僕にくれ」
塔矢。
「必ず、キミもその誰かも一緒に受け止めてみせるから」
塔矢。
「進藤」
駄目だよ。
お前は、駄目だよ。
お前をオレの中に入れる事は出来ない。
オレの気持ちをあげることも出来ない。
絶対に出来ない。
だって、もしそうしてしまったら、オレは。
オレは。
………塔矢。
塔矢が再びオレの中で激しく動いて、オレの中で弾けた。
その時オレは、すでに意識はなくなっていた。
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