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09-2.9
オレはざわめきの止まらない会場を出て、ヒカルの後を追った。
ホテルの廊下に出てキョロキョロと見渡したが、どこにも姿が見えない。
どこに行ってしまったんだ? 閉会式も始まるというのに。
部屋に戻ってしまったのだろうか。
早く。
早く聞かなければ。
ヒカルが言ったあの言葉の意味を。
そしてあの棋譜の意味を聞かなければ。
早くそうしなければ、オレは一生ヒカルの心を得られないような気がする。
何故だかそんな焦りに駆られたオレは、ヒカルの部屋へと行ってみようとエレベーターホールに向かって走り出した。
その時。
「……──おい進藤!」
「進藤ってば!」
廊下の奥の方からヒカルの名を呼ぶ声が聞こえる。
この声は、倉田さんの声だ。
そういえばヒカルが部屋を出たのと同時に、倉田さんも追いかけるようにして部屋を出ていったっけ。
オレは声のする方へと足を進め、廊下の角を曲がった。
すると、そこには。
「おい、進藤! しっかりしろよ! 大丈夫か?」
倉田さんが、ヒカルを抱きかかえるようにして廊下に座り込んでいたのだ。
倉田さんの腕の中に倒れ込んでいるヒカルは、真っ青な顔でぐったりとしていて、倉田さんの呼び掛けにも返事を返そうとしなかった。
そう、それはまるで糸が切れてしまった人形のように──
「ヒカル!!!」
オレが思わず大きな声を上げて倒れているヒカルと倉田さんの傍へと駆け寄ると、倉田さんは丸い目をさらに丸くさせてオレを見つめた。
「あ、高永夏!」
「おい、ヒカル!! ヒカル、どうしたんだ!! ヒカル!!!」
「あ! オイコラッ!! 静かにしろって!! シーッ!」
「ヒカル!!」
「そんな大きな声を出すなって! 誰かに見つかったらどうするんだよ!」
「誰かにって……何を言ってるんですか! 早く人を呼んで、医者を…」
「あーダメダメ!! いーの、呼ばなくて! こーなることはわかってたんだから」
「………は?」
……こうなることはわかっていた……?
オレは倉田さんの言っている意味が分からず、ジッと倉田さんの顔を見つめた。
倉田さんはそんなオレを見て「あーもう、メンドくさいヤツに見つかっちゃったなー」
と言って心底面倒そうな顔をした。
オレと倉田さんがそんな言い合いをしていても、倉田さんの腕の中に倒れているヒカルは真っ青なまま、動く気配はなかった。
一体、何が。
一体何がどうして、こんな。
どうしてヒカルがこんなところで倒れているんだ。
しかも『こうなることがわかっていた』だと?
どういう意味だ。
そんなことが頭の中をグチャグチャに交錯しながら走っていた時に、ふと楊海さんの言葉が頭をよぎった。
『進藤くん。彼、毎年何だか体調を崩していたからね。
春の季節は苦手なのかな』
今年も……?
もしかして今年も体調が悪かったのか……?
オレがそんなことを考えていた時、ふと頭上に人影が広がった。
驚いて我に返り振り返ると、そこにはちょうど今オレの頭の中で回想されていた人物が立っていた。
「…楊海さん!」
「あっちゃ〜〜…。もう一人面倒なヤツに見つかっちゃったよ」
「……おいおい。
あの対局の主役がどこに行ったのかと思いきや……二人してこんなところにいるとはね。
しかも一体何がどうしたのやら」
「あーもうっ! 高永夏があんなデッカイ声出すからだぞ!
もーいいや。お前らもコイツ部屋に運ぶの手伝ってよ」
倉田さんはそう言うと、進藤の上半身を抱きかかえたまま立ち上がり、進藤の足を楊海さんに持たせ、オレにエレベーターと部屋のドアを開けさせて、進藤の泊まっている部屋へと連れて行った。
+++++
部屋につくと、倉田さんは「しょうがないな〜」とブツブツ文句を言いながら、ヒカルのスーツの上着を脱がせ、ネクタイを外し、ベッドの中へと寝かせた。
そしてヒカルのカバンの中を勝手にゴソゴソと探り、何やら白い袋を取り出すと進藤の枕元へと置いた。
そうして漸く落ち着いたのか、倉田さんはフーッと大きく息をつくと、テーブルに置いてあった進藤のペットボトルを勝手に開けて飲み干し、呆然と立ち尽くしているオレと楊海さんに向かって言った。
「ハイ、このことは他言無用、スッパリ忘れて。
ホラ会場に戻ろーぜい。閉会式始まっちゃうよ。その後の立食パーティもあ・る・し」
倉田さんはそう言うと、手でシッシッとオレと楊海さんを追い払う仕草をした。
すると楊海さんはオレの隣でフーッと大きく息を漏らした。
「おいおい倉田。そりゃないぜ。
こうして何の偶然だか、三国の団長が集まっているんだぜ。何が起きたのか説明しろよ」
「……倉田さん。ヒカルは一体どうしたんですか。何故倒れたんです!?
もしかして体調が悪かったんですか? それとも」
「あーもう、ハイハイハイ! …ホンットに面倒なヤツらに見つかっちゃったよな〜。
あのねえ、オレだって説明したくたって出来ないことだってあるの!
お前らもオトナなんだから、それくらい分かれよなっ」
倉田さんはそう言って一人でプリプリと怒り出すと、今度は冷蔵庫から新たなペットボトルを出して開け、再び飲み始めた。
楊海さんはそんな倉田さんの様子を見ながらもう一度大きく息をつくと、「やれやれ」と言いながら話し出した。
「……ま、お前にこれ以上聞いても無駄そうだな。
わかったよ。この事は他言無用、黙っとくよ」
「……楊海さん!!」
「永夏くん、キミもだ。
何か言われたらこう答えろ。『進藤ヒカルは貧血を起こしたようだ。だから先に帰りました』ってな」
「さっすが楊海♪ 今度ウマイ中華料理、食わせてやるよ」
「お前ね、オレが中国人ってこと忘れてるだろ?」
「…なっ……何を…」
「あん?」
「何を言ってるんですか!!」
隣で真っ青な顔をして眠っている進藤を余所に、いつものような会話をしている倉田さんと楊海さんに、オレは思わずまるで秀英のように怒鳴りつけた。
身体が勝手にワナワナと震える。
怒りと、どうしようもなく沸き上がってくる不安で、とても黙っていることなど出来なかった。
「何をバカなことを言ってるんですか!
ヒカルが倒れたんですよ!? 何故医者に診せないんですか!
何か、どこか悪いのかもしれない。
何でそんな冷静でいられるんですか!! 早く医者を呼んで……」
「高永夏くん」
オレが怒りに任せて声を荒げていると、隣にいた楊海さんが静かな声でオレの名前を呼んだ。
思わずオレが怒鳴っていた勢いのまま楊海さんを睨み付けると、楊海さんは酷く静かな顔をしてオレを見つめていた。
「……キミの気持ちも分かるよ。進藤くんが心配なんだろ?
彼、やっぱりこの大会でも体調は悪そうだったからな」
「……え」
「倉田がエキシビジョンで進藤くんを推薦しなかった時──『ああやっぱり』って思ったんだけどね」
「………」
「だけどオレは、進藤くんの体調よりもキミとの対局を見たいという気持ちを優先した。
進藤くんには悪いことをしたな」
楊海さんは静かな低い声でそう言うと、ベッドで眠っているヒカルの青い顔を見て溜息をついた。
……ヒカルがこの大会でも具合が悪そうだった……?
嘘だ。そんなことはなかった。
昨日も一昨日も元気だった。立食パーティでも食べていたし、何よりも対局はどれも素晴らしいものだった。
オレはずっとヒカルを見ていたのに、そんなことは全く──
──気が付かなかったのか?
オレは、自分がヒカルと対局をすることだけに夢中で。
そのヒカルがどんな状態だったのか、どんな気持ちだったのか。
気が付かなかったのか……?
ここにいる楊海さんや倉田さんは気付いていたのに、オレは──ヒカルを好きなオレは──
「……ま、とにかくもう、あんな対局を見るのは二度とゴメンだよ」
「……あんな対局?」
「キミと進藤くんの対局だよ。
確かに内容は素晴らしかったがね。だがあんな恐ろしい対局を見るのはもうゴメンだ」
「……恐ろしい……対局?」
「あんな、自ら命を削っていくような対局は」
楊海さんはそう言うと、オレの肩をポンと叩き「会場に戻ろう」と促した。
楊海さんの言葉を聞いて呆然としていたオレは、暫く動くことが出来なかった。
楊海さんがもう一度オレの名前を呼ぶと、オレは漸く我に返り、いつの間にか俯いていた顔を上げた。
すると、ベッドに横になっているヒカルの顔が目に飛び込んできた。
『命を削るような対局』を──
オレは暫くヒカルを見つめていたが、結局ヒカルが目を覚ますことはなく、そのまま楊海さんに引っ張られるようにして部屋を出た。
楊海さんは倉田さんに「お前らのことは上手く言っておくよ」と言って、オレと共に部屋を後にした。
それから会場に戻る間──
暫く黙っていた楊海さんが、呆然としたままのオレに向かって声をかけた。
「そう落ち込むなよ。こんなこともあるさ。
人の気持ちを100%理解するのは、到底無理なことだからな。
特にキミのように何か『目的』がある若いヤツにはね」
「………」
「それに相手があの進藤くんだ。理解しろってのが無理ってモンだ」
「………」
「あの子はきっと、人には言えない色々な重たいモノを抱え込んでいるんだと思うよ。
その重たいモノを持って、自ら深くて冷たい水の底に沈んでいってるんだ」
「……水の底に…」
「それを無作為に詮索して、波紋を立てるのは得策じゃないな。
余計あの子を傷つけるだけだ」
「………」
「キミも辛いだろうがね。あの子を想うなら耐えろ」
楊海さんはそう言って、エレベーターを待つオレの肩を軽くポンと叩いた。
チン、と音がしてエレベーターが到着する。
オレと楊海さんはエレベーターに乗り込み、階下へ進むボタンを押した。
下へと向かって動き出すエレベーターの中で、オレはどうしても楊海さんに聞きたいことがあった。
「……楊海さん。
さっきのオレとヒカルの対局……『命を削るような対局』って言いましたね」
「ああ」
「それって…どういう意味ですか?」
「わからないかい?」
「………」
ブーンとエレベーターの機械音が響く。
その音以外のしない、静かな密室の中で楊海さんは静かに口を開いた。
「黒、135手目」
「……」
「あの一手が決まり手になった訳だが……あんな一手はないぜ」
「……」
「あんな、恐ろしい──あんな悲しい一手は」
「悲しい、一手」
エレベーターの音と、楊海さんの声だけが静かに響いていく。
「『大石は死なず』って言葉があるだろ?
相手の大石を囲んで取ろうとすると、無理が生じて事態が逆転するという意味さ。
オレも格言を信じている訳じゃないがね。
──だがあの一手は、それらをすべて壊してしまうような一手だった」
「………」
「囲んで取るどころか、たった一手で白すべてを殺してしまったんだ。
こんなことがあるか? あり得ないぜ」
「………」
「こんな一手を打つには──打てるようになるには、それ相当の覚悟や代価が必要なはずだ。
それがオレにはまるで、進藤くんが自分の命を削って打っているように見えたのさ」
「────」
オレは思わず息を飲む。
だが、酸素が上手く入っていかないような気がする。
息苦しい。
エレベーターの密室の中で、妙に空気が薄くなってしまった感じがした。
「自分の命を削ってまで、あんな一手を打って──
まるでありゃあ、『神の一手』だな」
「『神の一手』」
「だが、悲しすぎる神様だ。
何かを探して、何かを呼び掛けて「見つからない」って泣いている神様だ」
「………見つからない……」
「一体何の『目的』のために、彼は碁を打っているのかねぇ」
チン、と音が響く。
そしてガアッと音がしてエレベーターの扉が開いた。
オレと楊海さんがエレベーターから降りると、廊下の奥の会場からここまでざわめきが響いていた。
「あらら、こりゃ大騒ぎだな。
そりゃそうか、あんな対局をしておいて、当人たちがいなくなったんだからな」
「………」
「早く戻るか、永夏くん。上手いこと誤魔化さないとな」
「………」
オレが黙っていると、楊海さんは再びオレの肩をポンと叩いた。
そして、優しい声でオレに語った。
「なあ、永夏くん。
オレ、言っただろう? 進藤くんの相手になる人間は、二人しかいないって」
「………」
「キミと塔矢アキラだ」
「………」
「オレはどちらの味方でもないから、どちらの応援もしないが──
まあ強いて言うなら進藤くんの味方かな。
だからこそ早いとこ、キミか塔矢くんが彼を引き上げてくれるのを待ってるよ」
「………」
「進藤くんを、冷たい水の底から──」
「楊海さん」
楊海さんの言葉に、オレは縋るようにして声を出した。
そして、どうしても気になって仕方のなかったヒカルのあの言葉の意味を、オレは確かめたかった。
「さっきの対局が終わった後、ヒカルが言ったんです。オレに」
「……何を?」
「酷く小さな声で」
「『違った』って」
「──……」
「オレは意味がわからなくて、ヒカルに聞こうとした。
だが聞けなかった。
……もしかして、これの意味は……
ヒカルの探している人間がオレではなかったということですか…?」
「………」
「楊海さん」
オレがもう一度祈るような気持ちで楊海さんを呼ぶと、楊海さんは少し困ったような顔をして、フーッと息をついた。
そして今度は両手で、オレの両肩をポンポンと軽く2度叩いた。
「……永夏くん。
オレは進藤くんじゃないから、それはわからないよ。答えられない」
「……すみません」
「今度、時がきたら自分で彼に聞いてみるといいよ。怖いかもしれないがね」
「……はい…」
「それに、もしもその言葉がキミの言うとおりの意味だったとしても──
キミはそれでそのまま引き下がるのかい?」
「え……」
「キミは『高永夏』だろ。
本因坊秀策を超える棋士なんだろう? だったら立ち向かえ」
「………」
「そこが、どんな困難な道だったとしても。キミなら出来るだろ」
「………」
オレは、高永夏。
オレは、秀策を超える棋士。
オレは、秀策を超えてヒカルを──
何かの『目的』のために、自ら命を削って水の中に沈んでいくヒカルを引き上げる棋士。
それが、高永夏なんだ。
「……はい」
「よし。さ、戻ろう」
オレの力強い返事に楊海さんはニッコリと笑うと、オレと共に会場へと戻っていった。
すでに会場は大騒ぎで、オレが中に入った途端にますますその声は大きくなった。
だが楊海さんが、冷静に事態を大会運営委員と日本チームの主将の塔矢アキラに説明した。
塔矢アキラは、ヒカルの具合が悪いようだと聞いて、血相をかえて会場を飛び出そうとしたが、楊海さんの「すでに彼は、対局を見に来ていた彼のおじいさんと帰ったよ」
と説明をし、止まらせた。
塔矢アキラは納得はしたもの、どこか苛々と、ソワソワとしている風だった。
──きっと今のオレと同じ気持ちを抱えているに違いない。
進藤ヒカルを救えるのは自分だけだ、と──
秀英も同じように取り乱していたが、何とか落ち着かせ、そのまま閉会式が始まった。
表彰式が始まる頃になって倉田さんが会場へと戻ってきて、日本チームの優勝トロフィーを貰い、「やったぜー!」と大きな声ではしゃいでいた。
──この人も──ただの落ち着きのない人だと思っていたが、実は違っていた。
きっと倉田さんは、進藤の抱えている重たい荷物の中身を、少しだけ知っているに違いない。
だがそんなことは表面にはまるで出さず、いつもの『明るくて五月蠅い倉田厚』に戻っていた。
……なんだ。
ガキだったのは、オレだけか。
人を好きになる喜びに目がくらんで、それ以外のことを何も理解していなかった。
その好きな相手にも、その周りの人間にも、到底理解できないような深い深い感情があるのだということを──。
金さんが言った通りだな。
オレは微塵も成長していなかった。
+++++
オレ達韓国チームは、去年と同様にその日のうちに帰国の途についた。
帰りの飛行機の中、ボンヤリとしていたオレに秀英が話しかけてきた。
「……ねえ、永夏。
僕、今まで永夏に黙っていたことがあるんだ」
「なんだ」
「進藤のことなんだけど……」
秀英はオレの様子を窺いながら、どこか躊躇いがちに言葉を続けた。
「前々回の大会の時にさ、僕、進藤と対局したでしょ。
その時に進藤に言われたんだ」
「……なにを?」
「『違った』って──」
「────」
「これって、どういう意味だったんだろう。
また聞けなかったな」
秀英はそう言うと、支給された紙コップのお茶をクイと飲んだ。
飛行機の音が頭の中で響いて耳鳴りがする。
その耳鳴りの中で、ヒカルの小さな声が韓国に着くまでずっと響いていた。
『違った』
なあ、ヒカル。
お前の『目的』──前に言ってたな。
『あの世界』に行って『アイツ』に会って、やらなければならないことがある、と。
その『目的』を果たした後──
お前はどうなるんだ?
『あの世界』から戻って来るのか?
なあ、ヒカル。
オレはお前を何とか水の底から引き上げてやりたい。
いくら『違った』と言われようが、オレは何としてもお前を捕まえてみせる。
だがその後、お前は『あの世界』へ行ったら、帰ってくるのだろうか。
オレの元へ。
なあ、ヒカル。
いつか──いつか答えてくれ──。
それから。
オレは韓国で棋聖として、他のタイトルにも挑戦し続ける日々が続いた。
次のタイトル獲得はなかなか難しいものだったが、オレは立ち止まっている暇などなかった。
前へ進まなければ。
そしてオレの先を走って、そのまま沈んで行こうとするヒカルをオレは捕まえなければならない。
韓国でも、日本の碁界のニュースは伝わってきた。
塔矢アキラが『十段』と『名人』という、かつて父親の行洋が持っていたタイトルを獲得したこと。
そしてヒカルが『碁聖』というタイトルを獲得したということ。
塔矢アキラ。
今はせいぜいヒカルの傍にいるといいさ。
ヒカルを捕まえるのはこのオレだ。
そして。2006年年末──
ほとんど休みもなく対局漬けになっていたオレは、12月頭に行われた天元戦を最後に、年内の大きな対局は終了した。
その他の細かい仕事はあるもの、久々にまとまった休み(といっても3日間程だったが)を取れることになった。
その時、たまたま秀英が「来年の入隊前に、日本の叔父の家に行こうかな」と言い出したところをオレは捕まえて、半ば無理矢理日本へと同行した。
あれから半年以上。
ヒカル。お前に聞きたい。
あの『違った』という言葉の真の意味。
そしてあの『命を削るような一局』の意味。
そして、お前の『目的』──
今度は、答えてくれるかな。
ヒカル。
オレの呼び掛けに、答えてくれ。
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