皆様こんにちは。「innocent world」小説執筆人のくりです。
今回から全4回に渡りまして、「innocent world ─裏の世界─」をお届けしようかと思います。
要するに、制作秘話というヤツです。

自分の書いたものを自分で話すというのは、実は非常にアレなんですけど(笑)3年に渡って続きましたinnocentの世界。
私や管理人の涼子も把握するのがムズカシイくらいに広がってしまいました(笑)
なので、最終巻の03巻が発売される5月までの間、自分自身でinnocentの世界を復習する…という意味も込めて振り返りつつ「あのエピソードはこんなことがキッカケで生まれたんですよ〜」みたいな話を、少しでも出来たらいいなあと思います。
そして読者の皆様にも、一緒にinnocentの世界をもう一度感じて頂けたらいいなあ、と思っております(^^)


それでは第一回の今回は…「第1部(act.01〜06)」について、チョコチョコと書いていこうと思います。


第1部のテーマは
『アキラとヒカルがお互いの気持ちに素直に向き合って、スタートラインに立つ』
…というものでした。
最初の方では、とにかくお互いの気持ちの押し付け合いから始まっていた二人が、「アイツはどんな気持ちなんだろう」「そして自分はアイツのことをどう思っているのだろう」と思い始めるのがテーマでした。

ただ、この頃からヒカルは「いずれ自分は『あの世界』に行かなくちゃならないんだから」「『目的』を果たすために、いつかはお前と別れなくちゃならないんだから」と言い続けているので、完全にアキラと向き合っている訳ではないのですけどね…。

それでも、例えいずれ別れてしまうことがわかっていても、それで塔矢を傷つけることになってしまっても。
それでもいいから、今だけ、一緒にいたい。

……というのを書き切ることが、第1部のテーマでした。






『ロストマン』。タイトルそのままの内容ですね。
私の中で『ヒカルの碁』の「アキラとヒカル」というのは、互いを目指して常に追いかけ続けている…という印象がありました。
特に「逃げるヒカルを、何も言わずに姿を消そうとするヒカルをアキラが追いかける」というのが、私の中のアキヒカ像というか(笑)、大きなイメージとしてあったので、まずは出だしのact.01では、アキラさんにヒカルを探してもらおう、と思ったのでした。

で、私が想像していたよりも「アキラさんって熱い男(笑)なんだな」と思ったactでもありました(笑)
それが最も顕著になったのが、act.01-5.5だったかなあ。
ヒカルを探して探して本妙寺に辿り着いて、本来ならば自分と一緒にいるはずの、いなければならないはずのヒカルが社といるらしいという事実(←この時のアキラさんにはまだそのヒカルに対する独占欲?のような自覚はありませんが)に煮詰まったアキラさんが、深夜、社に嫉妬の塊のような電話をかける話ですね。

……うーん、コワイなあ。こんなことされたら嫌だなあ(笑)社は理解のある友達です。

でもこの話は、まだ小説初書きで、試行錯誤していた私にとって転換期となった話でした。
なんか、会話の流れやリズムが掴めたというか。
拙いのは今も変わらないのですが、私的にはとても印象に残っている話です。

社が関西弁でナレーションやモノローグを入れているのもこの話だけですね(笑)
(まだモノローグの書き方をわかっていなかったので、何でもかんでも関西弁にしないと社を表現出来ないと思っていた・笑)







ヒカルを見つけたアキラが、ヒカルと共に同居を開始するところまでを書くお話。
タイトルが曲名でないのはこのactだけです。(『GOING STEADY』とはインディーズのバンド名です)
ミステリー調(?)でシリアスに書いたact.01から少し方向を変えたかったので、コメディに走ったactでもあります。
innocentの中でも一番はっちゃけてるんじゃないかな(笑)
そのせいか、書くのに最も早かったactです。短いせいもあるけど、多分2日か3日くらいで書ききった記憶があります。

後半の、ヒカルが「独立しようかな」という一言から二人で不動産屋さんに行くまでの流れは、書いていて本当に楽しくて、2,3時間で書いた気がします。
もともとinnocentを始める前はギャグばっかり書いて(描いて)いたので、楽しかったなあ(笑)
ハムスターのあたりなんかは、もう指が踊ってましたね、キーボードの上で(笑)

んで。
このact.02のポイントは、初めて「未来のアキラのモノローグ」が入っているという点です。
一番ラストの行でしょうか。

「今、思い返してみても。
 この時の思い出が、一番色鮮やかに今も僕の胸の中に残っている。」


というヤツです。
コメディタッチと、これから始まるアキラとヒカルの共同生活…という楽しい内容で散々盛り上げてきたので、一番最後でガクッと落とすことによって、引き締めてみました。

私は「未来から過去を振り返って語るモノローグ」というのがとても好きで、innocent全般を通しても、よく出てくると思います。
その中でも、一番最初に書いたというせいもあると思いますが、私的に、このモノローグはとても印象に残っています。







タイトルが『Air』
これは、このact.03を執筆していた同時期に制作した、innocent初の同人誌『innocent world others』という、オムニバスの番外編集(マンガのみ)とのリンクがあって、Airというタイトルになっているのです。『G線上のアリア』ですね。

その同人誌のエピソードというのがコレ


本編でいうと、act.09-1.9-2の、永夏とヒカルのエピとLinkしています。
この一件が(ヒカルにとっては2年前、2004年の出来事)あったからこそ、ヒカルは『Air』という曲が好き…というか、印象に残っているのですね。



初のヒカル視点でのお話の進行でした。
とにかくアキラと文章のタッチを変えたかったので、初期の頃は随分とモノローグも口語調で書いていたのでした。今のヒカルより、ちょっとカワイイ感じですね(笑)



『Air』(空気)というタイトルにはもちろん佐為の意味があるのですが(目に見えない存在・傍にいて当たり前の存在)、その佐為にはなくて、アキラにはあるもの。

ヒカルにとってアキラはまだ、佐為ほど近い存在ではない。
でも、そんな佐為にはなくて、アキラにはある絶対的なもの。

それは「触れることの出来る身体」だと思うのです。

まずヒカルにはそれを意識させる必要があった。アキラと佐為は違うのだ、ということを。
そうしなければ、ヒカルのアキラに対する気持ちはスタートしないんです。
ヒカルにアキラを意識させること。それがact.03の最大のテーマでした。



んで、まあ、最後にはアレするワケですが(それがこのactの一番の目標だった・笑)ただそれだけではあまりにもナンなので、「空気」という言葉に近い意味合いを持つ「匂い」を全体のキーワードにしました。(ちょっと強引ですけどね…)多分、アキラはいい匂いすると思うんですよ(笑)

そしてきっと佐為いい匂いがすると思うんです。でも彼には実体がない。だから、ヒカルは想像するしかない。
でもアキラは違う。彼はきちんとそこにいて、触れることが出来る。匂いもするのです。
だって、生きているのだから。
ヒカルは、それに気付かなければならないんです。


そんな理由もあって、冒頭から和谷に「お前、塔矢の匂いがする」と言わせてみたり(ヒカルと同居している感を出したかった、というのもある)、最後にヒカルがアキラを抱きしめながら「いい匂い…」と言わせてみたりしたのでした。




ちなみに、あかりちゃんが初登場していますね。
彼女は作中で、唯一ヒカルが「男性として有利に立てる存在」なので(笑)書いていて非常に楽しいキャラでした。いくらヒカルが小さい・細いといっても、女性であるあかりちゃんとは違うのだよー…なんてことを書きたくて書きたくて、act.03〜05にかけて、しつこく書いていた気がします。

「彼女が妊娠している」というのはinnocentを始める前から決めていたエピソードなのですが、実はこのact.03を書いていた時点では、彼女のお相手を決めていなかったのでした(笑)
んで、涼子に「どうしよう、あかりちゃん妊娠してるんだけどダンナって誰?」と聞いた、とゆー…(笑)
で、その時に涼子に和谷×あかりというカップルを考えてもらったのでした。

このカップルは、私の予想以上に活躍し、最後までアキラやヒカルを支える存在となってくれました。
ありがとう。



ああ、あと緒方先生も初登場。
酔っぱらいアキラさんの話(act.03-3.5)は読者の皆様にも好評を頂いた話です(笑)
普段はマジメなアキラさんが、ロレツが回ってなかったり、すんげー毒舌(特に芦原先生に)になってたり。
そんなアキラさんは書いていてとても楽しかったのでした。

そうそう、このアキラが酔っぱらうエピソード。
緒方先生が「カクテル言葉を知っているか?」なんて言っていますが、私もこの話を書くまで知りませんでした。
調べてみたら本当にあって、驚きました。(緒方に何かキザなセリフを言わせたくて、花言葉があるならカクテル言葉もあるんじゃないのかなー…と思ったのがキッカケ)

作中で特にカクテルの言葉の意味を解説していないのは、読者の皆様にご自分でネットを使って検索して、アキラが頼んだカクテルの意味を調べてみてほしい!という思いがあって、敢えて書かなかったんですよ。



そのカクテル言葉の意味。
アキラがお酒を頼む順番の通りに言葉を並べていくと、次のようになります。

→「ジントニック」(強い意志:ヒカルへの強い想い)→「マルガリータ」(無言の愛:自覚してないから、告白出来ずにただただ無言…)→「カカオフィズ」(恋する胸の痛み:でも何故か胸だけは痛いんです…)


つまり、ヒカルに恋をしていくアキラの心境の変化を表しているのです。


……なーんて裏の意味を、「カクテル言葉」を調べた読者の皆様に、深読みして欲しかったのでした(笑)
どうでしょう、ここまで気付かれた方、いました?(笑)

緒方先生についてはact.06で書きますね。







『静かな日々の階段を(前編)』。シリーズ唯一の前後編ですね。
最初は一気に04から05にかけてのお話をやろうとしたのですが、ちょっと長くなりそうな気がしたので、前後編に分けたのでした。
なので、このact.04というのは、03から05へと繋ぐブリッジの話でしかありません。
act.05が第一部のクライマックスの始まりでもあったので、それの前フリ、というヤツですね。

うーんとね、そんなワケで特に語るべき内容もないんですが…(笑)



あ、芦原先生と矢部先生が初登場してますね。

芦原先生は、シリーズを通してずっと「アホだ」「バカだ」と酷い言われよう(特にアキラから)のキャラですが、ここでもそのオバカぶりを炸裂させています。
それにはきちんと理由があって、第三部のact.11-7で、彼の最大の活躍の場(アキラのために、ヒカルに土下座をする話)があるのですが、そのお話はこの時点ですでに決めていました。
普段のオバカキャラシリアスな彼との間にギャップを感じた上で、読者の皆様にカタルシスを感じて欲しかったので、この時点で前フリをしていたのでした。
でも、それは置いても、芦原先生のオバカぶりは書いていて楽しかったですね(笑)
いい気分転換になるキャラでした。


矢部先生。
シリーズ唯一のオリキャラです。
二次創作においてオリキャラを出すのはちょっと邪道だと私は考えていて(ただでさえ自分勝手に原作を弄っているのに、さらにそれを弄ることになってしまうため、罪悪感から自分で書くのはあまり好きではないのです)、あまりオリキャラは出したくなかったのですが……原作で、矢部先生のポジションに当てはまりそうなキャラがいなかったために、出してしまいました。うーん、ごめんなさい。
なんというか、「若人の話をニコニコと聞いて、さりげなく深い所を突いてくる老人」みたいなキャラが欲しくて。
亀仙人?みたいなポジションで(笑)

それと、ヒカルの身体のこともあったので、お医者様が欲しかったというのもあります。
ヒカルが倒れてから唐突にオリキャラのお医者様を出すのではなく、この時点で出しておいて、読者の皆様に慣れ親しんでもらおうという画策もあったのでした。ただでさえオリキャラだからね。慎重に扱いたかったのです。
「医者」という存在にリアリティも持たせたかった。

そんな風にして3年をかけたせいか、時折読者様から「最初から原作にいたような気がする」という嬉しいお言葉をもらえるようなキャラに成長してくれました。勿体ないお言葉です…。



ヒカルが碁聖戦に挑戦していますね。
この時ヒカルが倒れるのは、病気ではなく、純粋に腹下しです(笑)
前の晩に、アキラさんが無茶するから……(笑)

でも、病気への前フリでもありました。読者様にドキッとして欲しかったので。
どうだったでしょうか。








『静かな日々の階段を(後編)』。第一部のクライマックスです。
読者様に、一番反響を頂いたactでもありました…。懐かしいなあ。
私としては初めての大きな話で、とても不安な中で書いていたので、皆様の温かいお言葉が有り難かったです。

今までお互いの気持ちに向き合うことなく、自分の気持ちだけを相手に押し付けていたアキラとヒカル。
その二人が、ここにきて初めて相手をきちんと見て、話をする…というお話です。
後半の二人の言い合いは、書いていて私も拳を握る勢いでした(笑)同時にかなりドキドキもしましたけど。


前半。
碁聖を獲った途端に注目されたヒカルは、周りに踊らされるようにして表舞台へと押し出されてしまう。
ヒカル自身は本意ではない、このヒカルの「芸能活動」。私自身は書いていてちょっと楽しかったです(笑)ごめん、ヒカル。
特に読者様にも好評を頂いたCMの話。これを書いていた当時、『ライ○カード』のCMがちょっと話題になっていたんですよ。
んで、それを文字って『ライブカード』と(笑) ドキュメンタリータッチの映像…というのも実際のCMから頂きました。
映像が出来るだけ読者様の頭に浮かぶように書こう!と思った話です。

この話のあたりで、チョコチョコと「ヒカルが不調だ」とか「ヒカルは綺麗で…」といった描写を入れていますが、これもきちんと理由があるんですよ。

まず「ヒカルが不調」の件。
これは「タレント活動をして碁を打つ時間がなくなったから」ではないんです。
「アキラと共にいる時間が少なくなったから」「毎日のように打っていたアキラと打てなくなってしまったから」…なんですよ。
ヒカルは気が付いていないけど。ヒカルの中でアキラの存在が大きいことを書きたかった。

あと「ヒカルが綺麗で…」という描写。
このCMの件あたりからチョコチョコ書くようになりましたが、これは後であかりが出てくることと関係していて、ヒカルの「儚さ」みたいのを書きたかったんです。
要は、ヒカルがどんどん「佐為に近づいていっている」という描写をしたかったんですね。だから「綺麗」だと。
皆、意識の奥の奥の方で、ヒカルを見てsaiを思い出していたのかもしれません。たとえ、姿形を見たことがないとしても。




中盤。
あかりがアキラの家に訪ねて、ヒカルの過去を語る話。
これは第一部最大の伏線であり、innocent全体にかかる伏線でした。
この伏線の謎解き(?)はact.10-1.5であかりが自らしてくれることになるのですが。

この話の中で出てくる「猫」の話と「木から落ちて腕に傷をつけた」話。
「猫」は、act.07でヒカルが猫(アキラ)を拾ってくる…というのをこの時点で決めていたので、その前フリですね。

「木から落ちて腕に傷をつけた」話。
本当はコレはもっと色っぽい話への前フリにしたかったんです。
ヒカルとアキラがact.07でアレすることになった時、ベッドの上でアキラがヒカルの腕にその傷を見つけて…みたいな話を、本編で入れたかったんです。で、猫を拾う話に繋げたかった、と。
ところが、アレする描写を入れるのを忘れてしまい(笑)無駄な前フリになってしまいました…_| ̄|○
勿体なかったので、オフラインの『sweet pain』というお話でリサイクルしました(笑)番外編の中でも一番大人っぽい話ですね。
ちなみに、innocentとは関係のないお話『願わくは花の下にて』という平安の話でも、この「木から落ちて腕に傷」をリンクさせたりしました。
innocentと両方読んでくださっている方に、ニヤリとして欲しかったので(笑)

この、「アキラとあかり」の話は書いていて好きでした。
なんというか、お互い「同志」としての二人というか。
あと、女性に優しいアキラさんは、書いていて楽しいんですよ。普通の男の子っぽくて(笑)




後半。
アキラとヒカルの気持ちが交錯して、グチャグチャになってしまう話。
よくよく読むと、お互い勝手なこと言ってるんですよね。
アキラさんも謝っちゃえばいいんですよ。襲ったのは自分なんだから。なのに「許せない」とか言っちゃうし。
ヒカルはヒカルで、これ以上お互いに深い領域に入っていってしまうともう戻ることが出来ないのをわかっているものだから、「なかったことにしよう」とか言っちゃうし。
まだ相手の気持ちが見えていないので、ただただぶつかり合って、傷ついているだけなんです。
この辺は、書いていて私も辛かったです。読者の皆様にも多くの意見を頂いたお話でした…。








『星に願いを』
タイトルは最後まで迷っていたのですが、緒方先生が全てを持っていってくれたactだったので、緒方先生のセリフから頂きました。
この頃は私もまだ執筆に余裕があり、webに掲載し始める時点ではほぼ書き上がっていたんですよね。
つまり、act.06の更新をスタートする頃には、私はもうact.07を書いていたんです。…ま、その貯金は第2部になってすぐに使い果たしてしまうことになるのですが(笑)
タイトルは、Coccoの『星に願いを』かデ●ズニーの『星に願いを』のどちらから取ったのですか?とよく聞かれるのですが、デ●ズニーから引用しています。




緒方がヒカルを拾って介抱(笑)する話。
緒方視点で話を書くのは初めてだったのですが、…書きやすかったですねえ(笑)
それは今も同じで、実は私、緒方視点が一番得意なんですよ。アキラやヒカルよりも全然書きやすいです。
彼はひねくれていて穿った見方ばかりするので、モノローグもセリフも回りくどいんです。そこがいい!(笑)
ストレートじゃないところが楽しいです。緒方の口調は書いていていつも腕が鳴りますね。


このact.06で緒方の設定が色々と出てきますが、全て書きながら考えていったんですよ。

・白川先生との確執
・その白川先生の秘密
・明子さんへの恋、行洋へ弟子入りした経緯、矢部先生との関係
・実は医者一族の息子だった
・高いところが苦手


…と。ここまで細かい設定が出来てるキャラは彼だけですね(笑)


・白川先生との確執、白川先生の秘密
白川先生はアキラとの絡みでも出てきますし、緒方が主人公の読み切り『HIGH PRESSURE』でも出てきます。
なんかね…ただ者じゃない、という雰囲気を出したくて、こんな摩訶不思議なキャラに(笑)
私の中で緒方先生は、innocentイチの常識人なので、こーゆー「不思議ちゃんキャラ」には弱いのです(笑)
…という、どーしようもない理由で、彼は白川先生には勝てない、という設定に。
白川先生の秘密は、緒方が主人公のもう一つの読み切り『恋は遠い日の花火』でチョロリと書いています。


・明子さんへの恋、行洋へ弟子入りした経緯、矢部先生との関係、実は医者一族の息子
この辺はねー…もうベタベタの昼ドラ的なお話なんですけど、こーゆーの書いていて楽しいんですよね(笑)
緒方の過去話はこのact.06-5.5が初出ですが、その後読み切りなどでたくさん書くことになりました。
やー、楽しかった!
若い頃の行洋や、オリキャラの矢部先生の奥行きも出すことが出来たので、結果的には良かったですね。…と私は思っています。
明子さんが贈った「百合の彫り物があるライター」は、本当にそーゆーものがあるんですよ。


・高いところが苦手
これはね…もうバカバカしい理由なんですけど。
本当は、私の中の緒方先生は、高層マンションとかに住んじゃって、街を偉そうに見下ろしているようなイメージがあったんです。
でも、このact.06で、アキラからヒカルに告白をさせるのに、「ロミオとジュリエット」の構図でさせたかったんですね。
act.05、06と重い話が続いていたので、本来ならばそのクライマックスであろう「愛の告白」を(笑)敢えてバカバカしい感じにしたかったんです。

ヒカルが緒方の家のベランダにいる。アキラが外にいてそのベランダを見上げている。
そこでアキラが大声でヒカルに「好きだーっ!!」と怒鳴って聞こえる高さにしなくてはならない。
人間の声が届く高さは、せいぜい3階くらいが限界だろう。そうすると、緒方先生の家は3階ということになる。
あのプライドの高い緒方先生が、そんな中途半端な階に住むだろうか。いや住まない。ならばそれに理由付けをしなければならない。
だったら、「3階より高いところには住めない」という風にしたらどうか。つまり「高い所が怖いから、仕方なく3階に住んでいる」と。

それならば納得がいくし、アキラの告白も無事行われるだろう……とゆー……そんな理由で、緒方先生は高所恐怖症にさせられたのでした…(笑)

でもそのおかげで緒方先生の人間味を増す結果になり、人気投票でブッチギリの1位を獲得し、さらに『HIGH PRESSURE』という読み切りが生まれることになったのでした。
人間の奥行きって、わからないものですね(笑)

でも、この緒方の設定付けの楽しさにハマッてしまったおかげで、後々私は、色々な脇キャラに設定を施していくことになるのでした…(そしてそれがinnocentを長くした原因の一つになるのです)

なんだか緒方の話に終始してしまいましたが、act.06は彼が主役といっても過言ではありませんからね(笑)





ヒカルが、この時点で結構具体的に『目的』『あの世界』act.06-7)のことを言っていますね。
『目的』『あの世界』という言葉が出始めたのもこのactからだったと思います。
この頃、ヒカルの『目的』はすでに私の頭の中にあったのですが、『あの世界』に関してはボンヤリとしかありませんでした。
ヒカルの目指す『あの世界』ってどんな世界なのかなー…なんて、他人事のように思いながら書いていたのが思い出されます(笑)




そんなこんなで漸くお互いの気持ちに向き合った二人。
ヒカルは本当のことを隠したままだったけど、それでもいいからアキラと一緒にいたかった。
たとえそれが、ほんの僅かな時間しかないのだとしても。



そうしてお話は第二部(act.07〜09)へと続く……。


次回の更新では第二部の裏話を書いていきたいと思います(^^)