そんなワケで、予定より1回分多くなってしまったプロダクションノート(汗)
本編も長ければ制作秘話も長いとゆー…(笑)
ホント、すみません。
色々思い入れがあるんだなー…みたいな感じで、温かい目で読んでやってくださいませ。

ということで、最終章のact.12、そしてエピローグのお話です。





●act.12

タイトルは『終わりなき旅』。
もう、説明の必要もありませんね(笑)

最後のactです。

act.12の舞台となる因島へ取材にでかけていたので、TOP写真を全エピソードごとに変えました。
なので、TOPが毎週変わっていた時期ですね。
そのエピソードの舞台になる写真を集めて掲載していたのでした。
基本的に、因島の写真は、すべて私や涼子が撮ったものだったんですよ。






因島に到着した2人は、すぐに秀策の墓、石切神社へと向かいます。
で、お墓参りの後についに「最後の一局」を打つ二人。

この2人が打つ場所は悩みました。
なんてたってクライマックスだし、ヒカルが神の一手を打つ場所でもあるので、それに相応しい場所がいい。
最初は原作で河合さんが秀策の碁盤に「パチッ」とやった場所、宝泉寺にしようかと思っていたんです。
で、秀策の碁盤と碁石で打つ、と。

でも実際に宝泉寺に取材に行ってみて、ちょっと違うかなあ、と思ったんです。
秀策のお墓とかなり離れているので(宝泉寺は因島ではなく、尾道の先の竹原(要は島ではなく本州)にあります)それも違うかな、と。きっとヒカルは秀策の傍で打ちたいんじゃないかな。

なら因島でどこかいいところはないか。
そう考えていて思いついたのが、原作「碁ジャス!キャラクターガイド」の58ページに掲載されている「公園のベンチに彫られた碁盤」だったんです。
これはね〜…現地で見たかったんですよねー。本物を。だけど見れなかったんです。どこにあるかわからなくて。
で、帰ってから涼子が調べてくれて、「どうやら石切神社の近くにあったらしいよ」とのこと。

どこかの記念館で!秀策の碁盤で!…というような仰々しい場所より、「よく晴れた日の公園のベンチ」という方が、アキラとヒカルには合ってるかな、と思ったのでした。
act.02-2とのリンクも出来たしね。


この対局は特にモデルの対局を用意しなかったんですが、強いて言うなら、一番最初にアキラが佐為と打った対局かな。
アレをなぞる形で書いていった覚えがあります。

こう、ワーッと盛り上がる!という対局ではなくて、静かに打たれる、という風にしたかった、というのもあります。





その後、対局を終えた2人は海へ。(act.12-5)
ここでも久しぶりに、私の中での「予想外」の出来事が起きました。


「……僕も……僕も、キミの名前を叫び続けることになるのかな」
「………」
「ここで、この場所で、キミと同じように、返事のない名前をいつまでも叫ぶのかな」


と、突如聞き出したアキラ。これは本当に突然のことで、私も書きながら「えっ!?」とか思ったものでした(笑)
コレが俗に言う(笑)イタコ現象で、そのキャラに入り込んで書いていると、私の予想のつかないことを言い出すことがあるんですよ。キャラが。

アキラもこの海でヒカルを抱きしめて、思うところあったのかしら…と他人事のように考えていましたが、コレの返答には困りましたねー(笑)
悩みに悩み抜いて、ヒカルに

「オレの声、アイツの声──きっとお前なら、すぐ聞こえるよ」

と言ってもらったのでした。



ちなみに。
3年間アキヒカを書き続けて、感情移入しすぎてこの「イタコ現象」を起こすのは、圧倒的にアキラですね。
逆にヒカルは、めったにそういうことはなかったです。





そしてホテルへ。(act.12-6
これは実際にあるホテルをモデルに書いていて「ナティーク城山」をイメージしていました。
因島にある有名なリゾートホテルで、囲碁の対局が行われることもあるそうですよ。


ついにアキラはヒカルに佐為のことを聞き、ヒカルもそれに答える。

やっぱりね、ヒカルは佐為のことは全部は言わないと思うんですよ。
要は「平安時代の幽霊が秀策に取り憑いて〜」みたいな話は。絶対にしないと思う。
佐為が消えてしまった今、それはアキラに説明しても仕方のないことですから。

アキラが聞いているのも、ヒカルが答えたいのも、「佐為が何者だったか」というようなことではなくて、「ヒカルにとって佐為とはどんな人だったのか」ということだと思うんです。

でもそれって、ヒカルにとってはすごく説明が難しい。言葉で言い表せるものじゃない。
なので、逆にアキラの方から、「佐為とヒカル」について説明してもらったんです。

アキラもヒカルと同じくらい、きっと佐為のことを考え、そして佐為を感じていたはずですから。
ただ、姿が見えなかっただけで。

だから、ヒカルにはわからなくても、アキラにならわかることってあると思うんです。
それを是非、アキラからヒカルに伝えてほしかった。



このinnocent worldのクライマックスでもあり、そして「ヒカルの碁」の根幹に触れる部分でもあるこの話は、
ヒカルがアキラに佐為のことを語る、のではなく、アキラがヒカルに佐為のことを語って欲しかったんです。


これは書くのにすごく緊張したし、本当に大変でした(笑)
でも、書けた後はすごく満足でした。私の中で原作が漸く終わったような気がして、ホッとしました。




佐為を消してしまったことを、やはりどこかで後悔していたヒカルが、漸く

「……塔矢………オレ……やっと赦された」

と言えた時は、私自身も本当に嬉しかったです。




お互いを名前で呼び合うシーン。
これは、連載を開始する前から決めていた話でした。クライマックスは、名前で呼び合おう、と。

プロダクションノート3
で少し書きましたが、ヒカルにとって「名前を呼ばれる」というのはやっぱり特別なことなんですね。
そしてinnocentの最大のテーマである「名前を呼び掛けること」の、まさに集大成だったので……やーもう、本当に緊張しました(笑)
これも書けて良かったです。





翌日。
少し元気になって、広島の尾道を散策するアキラとヒカル。(act.12-8
『innocent world others』という本に少し描いたのですが、やはり広島に来たからにはどうしても周平さんを出したくて(笑) で、碁会所でアキラと打ってもらいました。
もちろんその後のお食事は暖談で!(←原作15巻に出てきた、河合さんとヒカルが食事をしたお好み焼き屋さんです)
取材レポのページに写真がありますv)


これを掲載した頃の日記にも書きましたが、周辺さんを出すからにはやっぱりバリッバリの広島弁を書く必要があって(笑)
これ、変換サイト(『バーチャル達川くん』)様を利用させてもらって、書いてるんですよ。


例えば

「休業というのを新聞で見て心配していたのだが…」
   ↓
「休業っちゅうのを新聞で見て心配しょぉったんじゃが」

という具合に、広島弁に変換してくれるんです。

ですが、まあ、翻訳ソフトというのはなかなか上手くいかないもので、英語→日本語を翻訳するのも、なかなか上手くいかなかったりしますよね。いや、ソフトに問題が…!というのではなく、最初の、私の書く日本語の文章がもともと変だと尚のこと上手く変換出来ないものです(^^;)

掲示板でもご指摘があったとおり、たぶん方言に精通している方や地元の方が読まれると、「何コレ?」とか思われて、不快な気分になられる方もいらっしゃると思います。ホンッッットーにすみません! ワタクシの努力が至らず…!

で、ですが!
言い訳がましくてアレですけど、どうか、どうか温かい目で「まーしょーがねーか、コイツの書くことだし」みたいな感じで、寛容に受け止めて頂けると…! あ、有り難いです!
本当に未熟で、申し訳ないですm(_ _)m





少し話が逸れましたが。

東京へ戻ったアキラとヒカル。(act.12-9
本当はすぐに病院へ戻して、病院のベッドで二人で寝かすつもりだったのですが、ちょっとワンクッション置きたいなという気持ちと、ヒカルをもう一度家に帰してあげたいな、という思いから、一度自宅に帰すことにしました。
「ただいま」といって帰ったヒカルに、猫のアキラがニャーニャー鳴く…みたいな、アキラの「ただいま」(←プロダクションノート4参照)と少しリンクも出来たしね。

で、ヒカルのベッドで一緒に寝てもらいました。
これは、その前の日の、因島で二人で寝た時と対比をつけたくて
因島ではお互いを求め合って、名前で呼び合って身体を繋げた。
でもその翌日は──刻一刻と終わりが近づいてくる今日は。そしてもう既にお互いを確認出来た今日は。
もう、ただ傍にいるだけでいい。傍にいて、抱き合って眠るだけでいい。
そんな…なんというか、同じくお互いを想う気持ちでも、「動」と「静」といった感じで変化をつけたかったんです。

上手く書けたかどうかはわかりませんが、私としては前回より続くクライマックスの一つで、緊張しましたね。
最後の力を振り絞って「オレのことを忘れて幸せになって」というヒカルに「ふざけるな」という決めセリフで返すアキラさんが、我ながら好きです。





そして次の日の朝──(act.12-10
今までのことが夢だったように元気になっているヒカル。変わらない日常。
私としてはそんなつもりはなかったのですが、涼子が一番最初に読んだ時は、ここが一番グッときたそうで。
皆様はどうだったでしょうか(笑)


病院へ戻って、別れ際にキスするヒカル。
これはねえ、本当は『鼻つまみキス』にしたかったんですよ。ウチのアキラとヒカルは、この『鼻つまみキス』をよく
する二人で(主にヒカルの方からキスすることが多いため)本編ではact.07-1act.07-6でもしていますね。
他にも、オフラインでも『やさしいキスをして』『Last Christmas』でもしています。
で、実はこの『Last Christmas』で『鼻つまみキス』を使ってしまい(ネタバレなのでそれ以上は言いませんが)、その事情で、ここでは『鼻つまみキス』を出来なくなってしまったんです。
なので、フツーのキスをしてもらいました(笑)

もう名前も呼んだわ、身体も繋げたわで、隠すことも恥ずかしいことも何もないはずなのに、たかがキス(笑)ごときで動揺しまくるアキラがいいですね。こーゆーアワアワとしたアキラさんが、私はとても好きです。






そして──ついに倒れてしまうヒカル。
同時に産気づくあかり。

これは連載を開始する前から決めていたことで、大げさな感じですけど「生と死」というか。
死んで消えていく命もあれば、生まれてくる命もある。
佐為は消えてしまったけど、ヒカルは残った。
そしてヒカルもまた消えてしまうけれど、新しい命が生まれて残り続ける。

佐為が原作で「私はヒカルのために、そしてヒカルもまた他の誰かのために存在しているのだろう」と言っていた言葉から来るものでしょうか。

それを少しでもinnocentで書けたらいいなあと思ったのでした。






視点はアキラさんに移りまして、韓国。(act.12-11
秀英と永夏を再登場させました。これから行われる「行洋VSアキラ」の対局に、二人には立ち会って欲しかったんです。
ヒカルの代わり、というのもあるけど、何より解説として(笑) 
対局って、打っている当人同士のモノローグだと全然進まないんですよ! ある程度ギャラリーがいて、ギャラリーに解説してくれないと、私も書きにくいし読者様も読みにくいんです。打ってる本人は解説なんてしませんから(笑)
なので、秀英と永夏のコンビに解説してもらうことにしました。


アキラとの対局の前に盤を清める行洋。(act.12-12
これは実際にあったエピソードで、Yahooの記事かなんかで読んだんですよ。
「闘いの前に盤を清める」というのが、なんかいいなあと思いまして。行洋らしいですよね。



話が少し前後しますが、原作の21巻66Pで一人盤の前で、行洋が対局相手を待っていたという話。
コレにたいしてヒカルがact.11-10

「塔矢先生は、きっとずっとずっと待っていたんだ。
 お前が自分の前に座る日を、ずっとずっと待っていたんだよ。」


と言ってくれていますが、これは私は本当にそう思っていて、innocentで書いてみたのでした。
行洋は引退後、より自分を高みへと導いてくれる強い相手を求めて海外を飛び回るわけですが、きっと行洋が最終的に辿り着く相手は、海外の誰かでも佐為でもなく──自分の息子であるアキラだと思うんです。
行洋はもしかして最初からそれがわかっていて、いつか対局するその日のために、自分を高め続けていたのかもしれません。

そんな気持ちを込めながら、行洋とアキラの対局を書きました。



そして、ついに神の一手を打つアキラ(act.12-12
ヒカルの時もそうだったのですが、この『神の一手』をどう書こうか、本当に悩みました。
やっぱり「ヒカ碁」にとって『神の一手』というのは究極のものですから、中途半端な描写は絶対に出来ない。
どんな風に、どんな気持ちで打つのだろう。

そう考えた時に思ったのは、きっと、打った本人は「神の一手」だと思って打っていないかもしれない
後々、棋譜を検討した時に、「ああ、この一手は神のように素晴らしい一手だ」と思うのかもしれない。
もしくは、打たれた対局相手、そしてその一手を見ていた回りの人間の方が「神の一手だ」と思うのかもしれない。

どのみち、打った本人は「これが自分の究極の、全ての一手だ」とは思わないかもしれない。
むしろ、打った後で「ここから、この一手からまた自分の碁は始まるんだ」と思うのかもしれない。

ましてや、アキラやヒカル、行洋、そして佐為のような人間であれば、尚のことそう思うと思うんです。
囲碁の道に終わりなんんてない、果てなく続くその道に、一手を打ったに過ぎないのだ──と。


そんな考えから、ヒカルの時(act.12-4)もアキラの時も、『神の一手』は割とサラリと流したんですね。
「物足りない!」と思われた方もいらっしゃると思いますが……解って頂けると、大変有り難いです。







ホテルに帰って眠り──夢に落ちるアキラ。(act.12-13







そしてそここそは、ヒカルが目指した『あの世界』──すべてを赦す世界、innocent world。







ついに辿り着いたアキラは、ヒカルと再会し、そして──ついに佐為と会います。







この佐為の描写も悩みました。
原作の17巻のように、喋らず笑顔だけで表現しようか。それともきちんと喋ってもらおうか。

でも私の希望としては、やっぱりアキラには佐為と話して欲しかったので、佐為には喋ってもらうことにしました。
その方が、佐為が最後にアキラやヒカルに伝えた言葉も、わかりやすいと思ったからです。



ヒカルの『目的』。佐為と一緒でなければ、つまり佐為のいる『あの世界』でなければ絶対に果たせない『目的』。

それは、佐為と一緒に、アキラに「謝ること」だったんです。






きっとヒカルは。
ヒカルはアキラと出会った時のこと、そして佐為と一緒にいたことでアキラについてしまった嘘、つけてしまった傷。
それに対してすごく後悔したと思うんですよね。
自分もプロ棋士になって囲碁をよく知るようになり、そして佐為を失って。
そして、アキラを好きになって。

きっと、ずっとずっと謝りたかったんだと思うんです。

でもそれは、ヒカルが一人で謝っても仕方がない。説明がつかないし、何よりも佐為にも悪いと思う。
出来れば、佐為と一緒に、アキラに謝りたい。
アキラはきっと「ふざけるなっ!」と言って怒ると思うから、佐為と一緒に何度でも何度でも謝るんだ。

きっと佐為もわかってくれる。
そして一緒になって、一生懸命塔矢に謝ってくれる。



──というのが。
ずっとずっとヒカルが思い描いてきた「夢」だったんじゃないのかなあ。(act.03-4





そして謝って、ヒカルの目的は果たされて。
その時のアキラの答えは──



「謝らないでください!」



ヒカルの目的を覆すような感じですが……
これはねえ、最初のプロットでは、アキラはこんなこと言うつもりなかったんですよ。
でもちょうどここの執筆で悩んでいた時、拍手などでよく読者様から頂いていた言葉があったんです。
本当に多くの方から様々なお言葉を頂くんですけど、皆共通して言う言葉があったんです。

それはまさにアキラの言葉──「謝らないで」。

ヒカルは倒れてからというものの、アキラに「ごめんね」「ごめんなさい」と言い続けてきました。
そんなヒカルを見る度に、読者の皆様が「ヒカル、そんな謝らないで」「ごめんねなんて言わないで」
「ごめんね、じゃない言葉が言える日がくればいいのに」……と。

本当に多くの読者様がそう言ってくれたんです。




そんな読者様のお気持ちが届いたのでしょうか。
アキラは最後に「謝らないで!」と言って、そしてその代わりに

「ありがとう」

って言ってくれたんです。


これはもう、私が考えて出てきた言葉じゃないです。
読者の皆様が、アキラに言わせてくれたのだと思ってます。本当にそう思ってます。

嬉しかったです。ありがとうございました。







そしてその言葉を聞いた佐為の答え、そしてヒカルは────





日本に帰ったアキラを待っていたのは、対局相手のいない本因坊・桑原。
そして静かに眠るヒカル──。


act.12-14のラスト


「進藤が、いなくなった。
 よく晴れた、5月のことだった。」



これはact.01-1の冒頭と同じなんですね。3年の時を経て、アキラとヒカルの旅は始まりの場所へと戻ってきました。

残るはあと1話──エピローグのみとなりました。







●エピローグ



act.12から3ヶ月後の夏、因島の海──。
赤ん坊を抱いたあかり、和谷、社、アキラ。

そしてヒカル。



この5人(+1人)で因島の海に訪れている、という設定です。




本因坊戦の朝、ヒカルは長い夢を見ます。
それこそは、アキラが『あの世界』へ──佐為とヒカルに会いにきた、あの夢。
つまり、アキラとヒカルは同じ夢を見ていたんですね。

そして佐為からの最後の願いを聞きます。



『もう少しだけ、二人で打ってらっしゃい』



これでヒカルは、もう一度戻ることが出来るんですね。
これはヒカルが自らを語ったact.11-1と繋がっていって、「神様がくれた時間」をヒカルはもう一度過ごすことが出来るんです。

この時のヒカルが言った言葉


──そうしてオレは、今一度この世界へと戻る──。


これは、原作1巻で、ヒカルの元へ佐為が舞い戻る時に言った言葉と同じなんですよ。
つまり、佐為と同じように、ヒカルもほんの僅かな時間だけだけど、アキラの元に戻ることが出来たんです。



ラストの形は、「感動の嵐!」「涙、涙の…」ではなくて、出来れば「いつも通りの日常」を淡々と楽しそうに過ごしている皆の様子が書きたかったんです。
大げさな感じではなく、サラリとしたテイストで纏めたかったんですね。

で、この頃の皆様の拍手の内容は、ほとんどが「泣きました」「号泣です」「涙でモニターが見えません」といった感じの、涙を流してくださっているものばかりでした。
やっぱり、3年もの間皆様を付き合わせてしまった私としては、最後は、アキラにもヒカルにも、そして読者様にも、笑顔で終わってほしかったんです。

……ということを踏まえて、ああいうようなラストになりました。
いかがだったでしょうか。



このエピローグの冒頭、そしてラストは秀英の手紙で締めていますね。
これも最初から決めていたことで、act.11-3act.11-12でヒカル秀英がメールのやりとりをしていたのは、これのための伏線だったんです。突然秀英からの手紙で始まったらヘンじゃないですか(笑)
なので、act.11で何度か彼のメールを出しておいたのでした。


最後に、キャラについて、少し書いておきます。



和谷ひかるについて。
あかりと和谷の子である和谷ひかる。あかりの子供は、名前をつけるなら絶対に「ひかる」だ、と最初から決めていました。
act.12-1、冒頭で出てきた「アキラちゃーん!」とアキラの名を呼ぶ女の子、それが和谷ひかるですね。
あのシーンは、オフラインで出した『innocent world Days』に繋がっていくもので、少し成長した彼女は、その『Days』という本で読むことが出来ます。
彼女に関しては色々と設定があるのですが……まあ、それはまた、別の機会にお話しましょうか(^^)


ヒカルについて。
ヒカルがやはり最後は去ってしまう、というのは、連載開始より前から決めていたことでした。
ここで逆転ホームラン!的に、ヒカルが助かってしまう!というような結末を考えた時期もあったのですが……やっぱり、innocentのヒカルは、去っていってしまいました。
佐為がヒカルを失った時もそうだったように、失うことがただ悲しいだけ、辛いだけではなくて、どうにも避けることの出来ない未来なら、では今自分たちが出来ることは何だろう、と思うこと。
そして去ってしまった先にあるのは、ただ悲しみだけではなく、その先にも別の「幸せのカタチ」があるのではないかということ。
それを、彼を通して書きたかったことでした。いかがだったでしょうか。
私は彼に、随分たくさんのことを教えられたような気がします。ありがとう、ヒカル。


アキラについて
innocentを通して一番変わり、そして成長したのは永夏でもなく、やっぱりアキラだと思います。
ヒカルはあれより1年長く生きて、そしてやっぱり彼の元を去ってしまったのですが……
その時のアキラは、どうだったんでしょうね?
やっぱりたくさん泣いたのでしょうか。悲しかったのでしょうか。それとも、もっと他に。

ヒカルの去り際、そしてその時のアキラ……のお話は、特に今、私の中では考えられていません。
今は、考えられないというか。
もう少し時期が経ったら、いつか考えられる日もくるのかな。
それまでは、是非皆様の中で、いろいろと想像しておいてもらえればいいなあと思います。
アキラにもたくさんのことを教えられました。ありがとう、アキラ。







そうして最後にアキラが辿り着いたのは──すべてが終わった後の、『あの世界』。
そこで二人は再び再会し、そして碁盤の前へ。



そこからまた2人の物語は、始まるのです。










というワケで、長々と全5回(すみません)に渡ってお送りしたinnocent worldプロダクションノート。
いかがでしたでしょうか。
もしもこれを読んで頂けて、そして「もう一度本編を読んでみようかな」「もう一度、アキラとヒカルの気持ちに触れてみようかな」と思ってくださったとしたら、こんな幸せなことはありません(^^)



今までinnocent worldを読んでくださり、そしてアキラとヒカルの気持ちに触れてくださり、
本当に本当にありがとうございました!!




innocentを読んでくださったすべての方へ、感謝を込めて。


執筆人@くり